複合フローリングは木質フローリングの中の一種類
木質フローリングはその名前の通り、木質の床材のことをいいます。木質フローリングには単層フローリングと複合フローリングがあり、マンションでは複合フローリングが主流となっています。
複合フローリングの特徴
単層フローリングが一枚の木からできている「無垢材」なのに対して、複合フローリングはいわゆる「合板」です。複合フローリングは合板やMDF(中密度繊維板)などの基材に化粧材を貼り合わせたもので単層フローリングに比べねじれやそりに強いという特徴があります。また、表面のバリエーションも豊富でコストも低く抑えることができます。見た目は単層フローリングには及びませんが、その他は大きなデメリットもなく複合フローリングが広く普及しているのもうなずけます。
突板フローリング
一昔前(10年ほど前)の複合フローリングといえば突板フローリングのことを言いました。突板とは厚さ0.3ミリほどの薄い板のことをいい、この板を表面材に用いた複合グローリングが突板フローリングとなります。合板なのでそり歪みに強く、表面も本当の木質感をだすことができます。一方で表面が薄い板でできているので、深い傷だと基材が見えてしまったり、突板が割れてしまうことがあります。突板フローリングとよく似た構造で挽板フローリングというものもあり、約2ミリの挽板を表面材として使用しています。
シートフローリング
現在の主流となっているのがシートフローリングです。基材の表面にMDFと呼ばれる木材を繊維状にした素材を貼り、さらにその上に表面材としてオレフィンシートを使用したものです。オレフィンシートはプラスチック製のフィルムに木目などの様々な柄を印刷していて、UVやEB加工が施されています。
シートフローリングの大きな特徴としてワックスがけを必要としないことがあります。シートフローリングはプリント素材保護のためにあらかじめ表面がコーティングされている状態ので、ワックスがけをする必要がありません。コストも突板フローリングに比べ低価格となっていて、カラーバリエーションも豊富です。
シートフローリングのマイナス要素そして一番大きいのは水に弱いことです。MDFはとても水を含みやすいので、膨張してしまうことで変形してしまい、そりや歪みの原因となってしまいます。コーティングをしているのでキズにはある程度強さがあるのですが、凹みについてはあまり強くありません。また表面のシートが剥がれてしまったり、めくれが生じることもあります。
ラミネートフローリング
最近注目を浴びているのがラミネートフローリングです。「防湿・防音層」「HDF(高密度繊維板)」「デコレーションフィルム」「オーバーレイフィルム(酸化アルミニウム製メラニン樹脂)」の4層構造で形成されていて、表面は靴生活ができるほど高い耐久性があります。
特徴的なのは設置方法で、一般的にフローリングを固定するには釘や接着剤を使用するのですが、ラミネートフローリングははめ込み式になっているので釘や接着剤を使用せずに固定します。
材質上、湿気による伸びがあるのでラミネートフローリングの周囲には10ミリ程度の隙間をあける必要があり、日本のフローリングの施工方法とは大きな違いがあることから、十分な知識が施工業者側に求められます。
フロアタイル
フロアタイルはポリ塩ビ素材のフロアタイル。厚さは2.5mm~3mm程度で通常のフローリング(約12mm)に比べて非常に薄いので重ね張りができるのが大きな特徴です。低価格ながら質感もあり、DIYでも人気となっています。耐久性、耐水性も高く、ワックスがけを必要としないメンテナンス性の高さも注目すべき点といえます。
自分のニーズにあった商品を選ぶ
今回は複合フローリングの種類について紹介しました。どの商品がいいのか頭を悩ますところですが、まずは自分のニーズをしっかり把握することが大切です。自分のニーズの優先順位が決まれば、それに合わせて商品を選んでいくことができます。何度も施工しなおすものではありませんので、仕上がりに満足できるよう十分な検討が必要となります。